ヤギを利用した除草
  ヤギは子ども達や農家のアイドル! -ヤギの習性を知り、その活用法を工夫してみよう-
| 荒廃した果樹園/耕作水田の放棄地/棚田で実際に行ってきたことをもとに記録として残します
広島ミニヤギ牧場 菅原 常司
| ■ヤギを利用した除草のメリット | ①畦草、雑草、低木、笹の葉、竹の子など、えり好みしないで食べてくれる。
②草刈りの難しい急な斜面、荒れ地や高い場所でも身軽に動き回り、食べてくれる。
③庭掃除や剪定で出た草や枝は、その後の草焼きなど処分を考えなくてもよい。
④ヤギは、体が小さく、手ごろな大きさで、子どもや高齢の方でも扱いやすい。
⑤ヤギは安く買えて、特別なえさ(飼料)を買わなくてもよいので、えさ代が少なくすむ。
⑥ふんやおしっこは、臭くなく、処理も楽。食べた草は糞となり、植物の栄養となる。
⑦人なつっこく、子どもや家族の身近な存在として、心の癒しや安らぎを与えてくれる。
⑧ヤギの除草を通して、地域のコミュニティを形成するのに役立つ。
⑨ヤギの除草は地下水や土壌汚染等、自然の生態系や環境を壊したりすることがない。
⑩人が近づいても、ほえたり、かみついたりはしない。
⑪ヤギが草を食べると周りの見通しが良くなり、イノシシなどが田畑に近づきにくくなる。
⑫草刈り機で刈らないので、事故や騒音、燃料費などのコストが少なくてすむ。
⑬花粉症、アレルギー障害のある植物(セイタカアワダチソウ)やススキ、クズも食べる。
⑭放牧を経験したヤギは、本能的に有毒植物を避けて食べるので安心して放牧できる。
⑮くず米、米ぬか等の穀物、家庭の残り野菜や果物の皮、トウ立ちした野菜も活用できる。 |
■ヤギを使った除草で用意しておきたい道具 軽トラック | 足場板 | カウベル・鈴 |
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ヤギを除草地へ運ぶ | ヤギを車にのせる | ヤギの位置を知る | く い・ペグ | ロ-プ・カラナビ | ハンマ- |  |   |  | 放牧したい場所に打つ | 杭を打ち、カラナビをロープに付け、つないでおく。 | くいをうちこむ | 草刈り鎌・のこ鎌 | のこ | 枝切り用のばさみ | ヤギがとどかないつる等を刈り取る時に使う | ヤギがとどかない太い樹木の葉を食べさせる時に使う | 剪定した樹木の枝を食べやすい長さに切る時に使う |
 |  | | | 耕作水田の放棄地 | 果樹園の除草 | 高い木 | 野菜畑の除草 |
■放牧する時に気をつけること |
●1頭だけで放牧すると、さみしがり、よくなくので数頭で放牧するようにする。
●ヤギの体調を把握、毎日の観察を怠らない。(目・耳の動き、鼻水、呼吸、腹部のはり)
●ヤンのフンの形や色は便秘や下痢、タンパク質不足を示すのでよく観察をする。
●放牧に慣れていないヤギは、有毒な植物を食べてしまうので、毒草は覚えておく。
●畑や畦道に除草剤や殺虫剤が散布されていないかどうかを確認してから放牧をする。
●新芽、若芽、樹皮など、ヤギが届く範囲では、食べてしまうので、幹を金網でおおう。
●果樹園では、角や体を木にこすりつけ樹皮を痛めるので、ロープの長さ調整をする。
●樹木の中には、タンニンや油脂を含み、多く与えないようにする。
●青草だけだと、フンが軟便になり下痢を起こす。半がわき、干し草も与えるようにする。
●タバコの吸い殻やネズミの駆除剤、ビニールなど、誤って口にしないように注意する。
●米や麦、大豆、米ぬか、ふすま、トウモロコシを与えすぎると下痢をするので注意する。
●放牧の後は、ヤギに塩分補給のため「鉱塩」を小屋に置き、与える。
●夏の炎天下、「熱中症、脱水症状」を起こすことがあり、日陰や水が飲めるようにする。
●メスヤギは食べる量が多い、子ヤギは草に対する嗜好性が狭く、草のえり好みする。
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